日本を知り外国の生活を知ると、その意外な違いにびっくりすることがよくあります。
その中でも特に驚かされたのは、腎不全の治療です。
腎不全の治療と言えば人工透析が有名で、辛く苦しいイメージがつきまといます。
しかし実際に見た海外の取り組みは、今までのイメージを完全に覆すものでした。
そこにいる患者さんはとても前向きに明るく透析を受けています。
そんな患者さんを見て、自分が生まれた国とそれ以外の国との差異にショックを覚えたほどです。
外国の腎不全治療
外国の腎不全治療・人工透析は、患者さんのストレスを少しでも軽減することに注力しているように見えました。
透析で拘束される時間を苦痛なものと捉えるのではなく、時間を有効に使える機会と考えることができれば精神的な負担は大きく軽減されます。
4時間もの間ただベッドに寝ているだけでは、苦痛を感じてもさほど不思議はありません。
より能動的に、時間を有効活用する姿勢が見て取れます。
パソコンで仕事をしたり本を読んだり、もちろん睡眠に当てる人もいますがその姿や表情は日本で見かける患者さんとは大きく異なります。
考え方そのものが違うと感じられます。
腎不全になると、旅行などでも制限を受けがちです。
外国の治療を見ていると、旅行先でも気軽に透析を受けることができる環境が整っています。
駅や空港等からのアクセスを案内するのも丁寧で、社会全体で患者さんを受け入れる体制ができているイメージです。
時間も融通をきかせてくれますし、比較的遅くまで透析を受けることができます。
患者さんの負担を少しでも減らそうと取り組んでいるのがよくわかります。
日本の腎不全治療
日本の腎不全治療は、海外のそれとは大きく異なります。
患者さんは2日から3日に1度病院に行くことになりますが、行かなければならない苦痛な時間と捉える人が多く見えます。
そのために4時間近く時間を浪費しないといけないと考えれば、生活の幅が減ってしまうと考えるのは自然です。
病院に行って4時間寝ているのが通常というイメージが定着しているため、そこに疑問を抱く人は少ないです。
しかし、外国での現場を見てくると、日本との違いには少しがっかりさせられます。
ハンデを背負ってしまったと後ろ向きになっているようにさえ見えてきます。
治療をしている時間を有効活用できるような仕組みができているようには見えません。
生き生きと時間を使っている外国の腎不全患者さんとは似ても似つかない様子です。
もっとポジティブに病気に取り組んだり、治療と寄り添うことができれば患者さんのストレスは大きく軽減されます。
日本も外国のように生産的に治療できれば、社会全体が明るくなる可能性はあります。